代々木上原 Home+Studio

都心の住宅地に建つ建築家の自宅兼アトリエ。4分の1円の形状の小さな敷地。北東の弧の部分が接道し周辺に開いているが、敷地の西と南には隣家が迫り、日照は期待できない。一方で北側には広い駐車場の空きがあり、緩やかな傾斜地の彼方まで眺めることができる。このように周辺環境のコントラストが著しい場所に建つ建築として、周辺に対していかに接続するかを考えた。

北西側外観。直方体のボックスを互い違いに積み上げた構成。外壁は化粧型枠RC打放し。
北西側外観。直方体のボックスを互い違いに積み上げた構成。外壁は化粧型枠RC打放し。
左手リビング奥に設けたピクチャウインド。右手はダイニング上部の吹抜けに設けたハイサイドライト。それぞれの開口から異なる景色が切り取られる。
左手リビング奥に設けたピクチャウインド。右手はダイニング上部の吹抜けに設けたハイサイドライト。それぞれの開口から異なる景色が切り取られる。

敷地一杯にL字型の平面を設定し、北東の敷地の残りの部分にドライエリアを設けささやかな庭を確保している。建物は地下1階地上3階建てで、敷地が北側接道であるため斜線制限が緩やかであることと、天空率の緩和の利用により、フットプリントは小さいながらも上方に積層することで、大きな容積を確保した。直方体のボックスを北向きと東向きに互い違いに積み上げた構成とし、地下を事務所、1階から3階を住居としている。

積層するボックスの隙間はフルワイドの開口をもつ外部の様な明るい空間となる。これより一層ごとに北と東に開いたフロアが交互に現れ、内部空間の方向性が変化に富むものとなる。道路からの視線を避けるように少し高い位置に空けられた寝室のコーナー窓、北側の空き地に向けて大きく開いたキッチンのコーナー窓、ダイニングの吹き抜け上部に設けたハイサイドライト、さらに、北側斜面の遠くに見える緑に開いた3Fリビングのピクチャウインドウは、それぞれ階ごとに90度ずつ向きを変えながら周囲の風景が分解されて室内と接続されている。

構造の計画としてはRCラーメン構造でありながら、偏平な柱型とすることで強固な壁体内に収め柱型が室内に出ない納まりとした。コーナー窓の角の柱は省略してダイナミックなキャンティレバー構造とし、積層するボックスの間に隙間をつくっている。外観はRC打ち放しによる素朴で簡素な箱のコンポジションであるのに対し、内部は白の壁を基調とし、床と天井といった水平面に木質系、黒皮鉄板を用いたキャンティレバーの階段と手すり、自然石の床など豊かな素材感を持つ。

2F ダイニング。床・天井の水平面には木質系の仕上げ。RC打ち放しの梁、黒皮鉄板を用いたキャンティレバーの階段など豊かな素材感を持つインテリア。
2F ダイニング。床・天井の水平面には木質系の仕上げ。RC打ち放しの梁、黒皮鉄板を用いたキャンティレバーの階段など豊かな素材感を持つインテリア。
3F リビング。北側から南側を見る。建て込んだ隣家のわずかな隙間に合わせて設けた縦長のスリット窓から光が差し込む。
3F リビング。北側から南側を見る。建て込んだ隣家のわずかな隙間に合わせて設けた縦長のスリット窓から光が差し込む。
3階の吹抜けの見下ろし。
3階の吹抜けの見下ろし。
構成図
構成図
plan
plan02
plan03
2F ダイニングから3Fリビングを見る。さらに上方の吹抜、右手奥のリビングへと連続する空間。様々なレベルに設定された天井。
2F ダイニングから3Fリビングを見る。さらに上方の吹抜、右手奥のリビングへと連続する空間。様々なレベルに設定された天井。
section
1F 寝室。道路から少し高いレベルに設けられたコーナー窓。
1F 寝室。道路から少し高いレベルに設けられたコーナー窓。
B1F オフィス。L型の平面形をもつ。GLから半層低いレベルにある。右手はドライエリア。天井はベイスギ厚9mm目透かし貼り。
B1F オフィス。L型の平面形をもつ。GLから半層低いレベルにある。右手はドライエリア。天井はベイスギ厚9mm目透かし貼り。
3F リビング。右手はダイニングの吹抜け。
3F リビング。右手はダイニングの吹抜け。
北側夕景。コーナー窓の角の柱を省略したキャンティレバー構造。
北側夕景。コーナー窓の角の柱を省略したキャンティレバー構造。
東側外観。角度によって印象が異なる造形。
東側外観。角度によって印象が異なる造形。
2F ダイニング。三方に設けられたハイサイドライトから光が降り注ぐ。右手の階段は3Fリビングにつづく。
2F ダイニング。三方に設けられたハイサイドライトから光が降り注ぐ。右手の階段は3Fリビングにつづく。
2F キッチン。吊戸棚をを取りやめカウンターにすべての収納を確保している。明るく開放的なキッチンを目指した。
2F キッチン。吊戸棚をを取りやめカウンターにすべての収納を確保している。明るく開放的なキッチンを目指した。
3F リビング南側の吹抜。天井高さは3,020mm。左手はルーフテラスに上る鉄骨階段。
3F リビング南側の吹抜。天井高さは3,020mm。左手はルーフテラスに上る鉄骨階段。

Detailed Information

  • 敷地 : 代々木上原
  • 用途 : 事務所併用住宅
  • 構造 : RC造
  • 階数 : 地上3階地下1階
  • 建築面積 : 34.50m²
  • 延床面積 : 127.25m²
  • 施工 : 山菱工務店
  • 撮影 : 中川 敦玲