飯能の家

鋳造ガラス彫刻をつくる芸術家のアトリエ付き住居です。敷地は、画一的な建て売り 住宅で埋め尽くされた街並みの辺境にあります。対照的に、敷地の南側は、深い緑に 覆われた峡谷を見下ろす絶好のパノラマが広がっています。

1階に工房とギャラリー、2階に住居と明 快に分離しています。1階は、北側の住宅地に向けてギャラリー、南側の自然に向けて工房を配置し、周囲の環境に沿うように、諸室を南北方向に積層するプランとしました。2階は、夫婦二人住まいであり、それほどプライバシーを必要としないので、建具を極力排し、回遊性を促すようなオープンなプランです。北側の住宅地に対しては閉鎖的な表情を与える一方、南側に対しては大きく開放し、どの居室からも美しい風景が伺える構成としました。峡谷に向かって大きく跳ね出したバルコニーは、遮るものがない雄大な森に抱かれた自然の一部であると同時に、多様な生活と行為がにじみ出てくる住居の延長です。

HNN_hira_06
南東側全景。手前は深い緑に覆われた渓谷。背後は建売住宅で埋め尽くされた新興住宅地対照的な二つの領域の境界に建つ。谷に面する南側を全面的に開放することで眺望を得る。

 

 

HNN_hira_04
北側外壁。上部は黒く塗装した杉板の縦羽目貼り。下部、1階アトリエの外壁は、網入り波型ガラスを採用。光の加減で微妙な表情が生まれる。杉板との質感のコントラストが、異種の素材を相互に引き立てている。

 

HNN_hira_02
北側全景。手前の1階壁面が網入り波型ガラス、右はスチールプレート。2階外壁は杉板で構成。

 

HNN_hira_13
2階の玄関土間から居間を見る。南側の谷に向けた視線の抜けを計画。常に9mの奥行きが感じられるインテリア。

 

HNN_hira_09
居間から南面開口をのぞむ。建て主は鋳造ガラス彫刻をつくる芸術家。1階はアトリエで、2階を住居とした、住居部分は9m×9mのシンプルな箱。居間の延長として、谷に向けて大きくはね出したバルコニーが設けられている。

住居部分のプランニング

9M×9Mのワンルームに対し、水廻り・収納のボリュームを適当に配置することにより、空間の緩やかな分節と回遊性を生み出す。意識的に視線の抜けを確保することで、常に9Mの距離が感じられるインテリア。

ダイアグラム
HNN_hira_14
2階の個室1から居間を見る。中央の台所や収納などのボリュームにより緩やかに空間を分節する。屋根・天井は同型のガルバリウム鋼板を2枚重ねて、隙間に断熱材を挟んだもの。

 

断面図
南北断面詳細図
DSC_0008

1階ギャラリー。波型ガラスのスクリーンが北側の柔らかい光に独特の美しい表情を与える。

分解図
HNN_hira_19
2階浴室。南面の渓谷をのぞむ。

 

HNN_hira_20
1階工房南面。半透明のポリカーボネート波型のスクリーン。1階の北面は波型ガラス、東西面はスチールプレートを曲げ加工したパネルを使っている。

 

アイソメ図
HNN_hira_22
1階工房。ガラス彫刻を製作する設備が置かれている。正面はスチールプレートの外壁。

 

 

plan1
2F 平面図
plan2
1F 平面図

Detailed Information

  • 敷地 : 東京都
  • 用途 : 兼用住宅(ギャラリー・アトリエ)
  • 構造 : S造
  • 階数 : 2階
  • 建築面積 : 81.61m²
  • 延床面積 : 162.61m²